サタジャニ('15.8.22号)を読んで

JUMP勝負の年

いい風が吹いてる

センターの色々な重荷

みんなが背負って羽ばたき始めてる

 

 今年の夏も、いや、今年の夏はいつにも増して、あっという間に終わりを迎えました。天使の顔をした鬼のような現場とTV露出を追いかけるのだけでいっぱいいっぱいだった私の部屋の片隅には、買うだけ買って読むことのできていない雑誌たちが山積みになっています。比喩でなく本当に。文字通り山なんだこれが。

 レコ整理が落ち着いてようやくそちらの消化作業に移ろうと意気込んだはいいものの、あまりの膨大な量にどれから手を付けようか決めあぐね途方に暮れたのが昨夜遅く。その山の横にポツンと取り残されていた日刊スポーツの存在に気が付き、ふと一週間前のTLを思い出しました。そういえばサタジャニネタでざわざわしていた?盛り上がっていた?なぁと。よし、まずはこれを読もう。ネタバレを踏まないよう、どなたの感想も読まずにTLは流してしまっていたので、何も知らないまっさらな状態で紙面を開いた私の目に飛び込んできたのが、冒頭の4行でした。

 「いい風が吹いてる」このフレーズから真っ先に思い起こしたのは、ソロデビューのお話を頂いて悩んでいたやまちゃんにだいちゃんがくれた言葉。

「俺らのことは心配せずがんばってこい。大きな風穴を開けてきてくれ。」

「これをきっかけに、でっかい風穴開けてくれ。いい風、吹き込んでくれ!」

上がだいちゃんの、下がやまちゃんの10000字インタビューからそれぞれ引用したものです。当然、一言一句たがわずどのようなやりとりがされたのかは知りえませんが、「風穴」という単語が使われたのはほぼ確実と言えるでしょう。

 あぁ、あの時やまちゃんは確かに風穴を開けていたんだ…。サタジャニ第一の感想がこれでした。正直、これまではさほどあのソロデビューがグループ全体にもたらしたものについては答えが見えていなくて。だからこそ、読んだ瞬間頭をガツンと一発殴られた気分でした。

 今回やまちゃんがだいちゃんのくれた「風穴」という言葉を意識して自らの発する言葉選びをしただなんて思ってはいないけれど、なんだか、とてもしっくりきました。ここでつながったのだと。

 通常、「風穴を開ける」というフレーズは「新風を吹き込む」という意味合いで使われることが多いですが、やまちゃんの開けた風穴は少し違う気がします。9人のメンバーそれぞれが風となって力強くその風穴から飛び出していった、そんなイメージ。と、ここまで書いたところで“その一筋一筋の風が集まりひとつになったときに大きな嵐が生まれる”的なことが言いたくなってしまい、この瞬間だけ嵐というグループ名が羨ましくなってしまいました(笑)。でも私の好きな子たちが所属しているグループにはHey!Say!JUMPという素晴らしき名前があるので。それぞれの高めた風力が合わさったときに時代を跳び越えるほどの大きなパワーが生まれる、とでも言っておきましょう(全然うまいこと言えてない)。

 脇道に逸れてしまいましたが話を元に戻します。紙面でやまちゃんは「いい風が吹いてるな」と話していましたが、その風は周囲に与えられたものだけではない。そこには、間違いなく彼ら自身の力で吹かせている力強い風が存在します。


 もうひとつ、今回のサタジャニから考えさせられたこと。それは「センター」という肩書きです。以前もブログで触れたことがあるのですが、私はどうしてもやまちゃんが「センター」と名乗ることに違和感というか不思議な感覚を覚えてしまいます。なぜなら、以前の彼はそう呼ばれることを手放しで喜んでいるようには見えなかったから。これから先書くことは本当に、物事に理由付けしたがりのいちヲタクの戯言でしかないので(勿論これより前に書いていた文章もそうなのですが)、こんなこと考えちゃう奴もいるんだな~程度の心持ちで読んでやってください…。

 試しに「センター」という単語で自分のツイログを検索してみたところ、少なくとも昨年6月、やまちゃんの10000字インタビューを読んだ時点でまだ私はこの言葉を使うことに対してマイナスの印象しか抱いていませんでした。記憶が正しければこの頃はまだやまちゃんもそうは名乗っていなかった。むしろ「みんなで並んで」「同じ歩幅で」というような言い回しを好み、突出しようとはしていなかったイメージ。

 でも、変化があったのはそれから間もなく。

「今まで自分をJUMPに注いできた分、そろそろ前に出ていこうって思いもある」

10000字がいつとられたインタビューなのか分からないためはっきりとこのタイミングだと断言はできないですし、上記発言の引用元は昨年6月9日発売テレガイパーソンであるため世に出た順で言うとこちらの方が先になってしまうのですが(やまちゃんの10000字インタビューが掲載されたMYOJOは6月23日発売)、取材時期は10000字よりもパーソンの方が後だと思っています。ちなみにパーソンは21歳のお誕生日前日の取材だと明記されています。まぁとにかく、短期間に毛色の違う発言を摂取してしまった当時の私は混乱していました。ど、どっちなんだ…?と。

 しかしその後も徐々にやまちゃんは自らがセンターだというニュアンスの発言を重ねていきます。極め付けが暗殺教室露出中のPICT-UP('15.2.18発売)にて、「活動をしていく上での、山田さんの軸を教えてください。」という質問に対してのこの回答。

「僕です。僕自身がブレないこと。グループでセンター張ってるから、俺がぶれたらグループもブレる。絶対にブレちゃいけない存在だから」

 衝撃をうけました。同時に、いつまでも過去に囚われていてはならないなと自戒も。このときも今のように悶々と考え込んでダラダラとブログに思いを綴ったのですが、あれから少し経ってまた自分の気持ちに変化があったため、今の考えを残しておきたく。この記事を書くに至ったのですが…まーーー前置きが長かったw

 さて、ようやく本題です。やまちゃんは、「分かりやすくセンターポジションの人」ではなくなってからようやくセンターと名乗り始めたような気がする。「分かりやすいセンター」とは何ぞやと思われるでしょうが、うーん……。例えば、シングル曲の歌割りで極端にソロパートが多かったり、歌番組で披露するパフォーマンスの立ち位置がほぼずっとセンターだったり、主演含むドラマやそれに関連した露出によってひとりだけ圧倒的にTVに出る回数が多かったり。そんな数年前と比べて、今ではソロパートやカメラに抜かれる回数は格段に減りましたし、パフォーマンスの中で後列端まで移動することもあります。演技のお仕事だって他のメンバーもたくさんこなしています。そんな今のやまちゃんは、いつもセンターに立っているわけではない。ただ、いつもセンターに立っている“ような気が”する。何というか、彼の言う「センター」は、勿論物理的な意味も込められているのだろうけど、それ以上に心理的な意味合いが強いのではないかと思うのです。

 前に出たり中心に立ったりと、彼が一際目立つ機会はまだ多い、むしろどんどん増えているようにも見受けられますが、Hey!Say!JUMPのセンター山田涼介がセンター力を発揮しているのはそこではないのではないでしょうか。「山田の嬉しそうな顔を見てたらオレもうれしくなった」「なんだかんだJUMPのメンバーは山ちゃんに頼っちゃうだろうから、これからもグループを引っ張っていってほしいな。俺たちも、それに応えられるように頑張るよ!」「いつも引っぱってくれて、基本的に僕らメンバーは涼介の背中を見てやっているところがある」「現場に涼介が来た瞬間に空気が変わったりして、力があるなって思う」他でもないメンバーがこう言ってくれているように、グループの精神的支柱として、彼はセンターなのだと思います。

 「Hey!Say!JUMPといえば山田涼介」だった数年前のイメージを逆転させ「山田涼介といえばHey!Say!JUMP」へと変えた。これがやまちゃんがグループのために開けた最大にして最高の風穴なのかな。